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2008年3月 7日 (金)

K2 COOMBA

ハイシーズンの新雪滑走はそろそろお終い。肩に担ぐ重さや足元の長さが気にならなくなり、板の性能を自分なりに正当評価出来る段階になったと感じる。今期大人気だったにもかかわらず(それ故に)供給バランスが崩れて、欲しくても手に入れられず、その希少価値が更に需要増に繋がった感もあるK2 COOMBA。当ブログにもこのキーワードで検索をしてくる人が後を絶たない。来期のCOOMBAは今期のそれと同じ物がリリースされている(グラフィックも変更無し)。これから購入を考えてる人の為にもインプレッションを残す。以下長文。

K2 APACHE COOMBA 181cm(binはmarker DUKE)のインプレッション。それまで乗っていた板K2 AXIS AK LAUNCHER 174cm(binはmarkerのセパレートタイプ)との対比を中心に記す。昨年3月COOMBA 174cm(binはレンタル用調整機能付き)を試乗した時とは印象が違う点に留意してもらいたい。それは板の長さの違いは勿論だがBINDINGの違いも影響を大きくしていると考えている。

環境:nisekoグランヒラフエリア、及びアンヌプリ山頂からの管理区域外。
滑走割合(私感):管理区域内5割、管理区域外4割、パーク1割。
使用延べ日数:21日(3月2日現在)。
一日あたりの滑走時間:3~4時間(朝一から昼まで)。
報告者の体格その他:身長175cm、体重61kg。バランス感覚は平均並み、全身筋力は平均以下。

パウダー。
パウダー滑走でのAKとの違いを一番体感したのは長さと、トップ部の雪の捉え方。スピードを上げて大回りや縦長のターンをするのに向いているが、細かい切り替えしは不得手。故に視界良好なオープンバーンでこそ真価を発揮するが、地形変化の激しいツリーランだと失速せざるを得ない。浮力は増している筈だが、ディメンションの違いから受ける期待ほどではなく、「まぁこんなもんか」程度。

整地。
板のトップ柔らかくセンターからテールにかけて硬め(全体のフレックスはAKより硬い)なのでカービングスキーの要素を持ち合わせている。故にカービングは快適。但しこの板はカービング用ではなく、カービングも意識した板という位置付けと思われ、あくまでもFATにしてはカービングが得意だね程度。硬めのフレックスとサイドカットラディアスが示す通り、181cmだと小回りでグリグリ斬る滑りには向かない。長さは安定感に寄与し、AKと比べて巡航速度・限界速度ともに上がった。

不整地。
COOMBAで最も特筆すべきなのは、荒れた斜面。圧雪後多くの滑走によって荒れた斜面や日中の断続降雪と滑走によって荒れた斜面での安定感は素晴らしい。角付けされた板は軌跡を見失う事無く自らの仕事をこなす感じ。ボコボコの雪に脚を取られること無く、まるで重戦車のようにズバンズバンッと切り裂いて行く。以前VOLANT CHUBを試乗した事があるが、それと印象が似ている。

トラバース。
AKとの違いがハッキリ判るのは新雪斜面のトラバースである。この時に板の浮力を一番感じ、故に標高落差を抑えた横移動が嬉しい。

ラッセル。
太いとはつまり面積が増す事で、それは板に乗る雪の量が増える事。苦痛。

パーク。
一桁メートルサイズのキッカーでのストレートジャンプと、リップから出るか出ないかのハーフパイプ…。乗り手がショボイので割愛orz。

総評。
ダグ・クームス、ガイドであった彼への賛辞で作られた板。この意味は乗れば乗るほど判ってくるような気がする。つまりガイド業に求められるあらゆる状況下に於いて高次元で満足させるべく味付けされた板。自分が満足するよりも、客を主役にすべくサポートするために求められる要素をこの板は1台で何とかしようとしているらしい。実際、不安な場面は今のところ無い。荒れた斜面で深回りしてる時に板がどこに飛んでいくか判らない不安や、パウダーで踏み込んだ時に板が雪の中で交差する心配も、無い。

短所も書かねばなるまい。重いのは荒れた斜面での安定に寄与してるので相殺される。
気になるのはテールの硬さである。長くなった影響もあるが、どうしてもテールエッジの引っ掛かりが気になる。アイシーな急斜で、或いはモナカ(表面スラブ化)で、テールが噛み込むと抜けてこない感覚がある。例えばバランスを崩して後傾したとしよう、AKならその姿勢からテールを流し容易に迎え角(実際の進行方向と板の向きが作る角度。デラパージュは迎え角90°となる)を作る事が出来るが、COOMBAではそれが難しい。ダリングを多めにするチューンを施してもらった後もその感覚が払拭されないので、板そのものの特性(トーションも硬い?)かもしれない。雪面状況が悪くても積極的に前方に乗り込んでいく姿勢と、後傾してしまった時に上体を前に持ち直す筋力とバランスが求められる。

前に乗るといえば、ジャクソンから花1へ抜ける林間トラバースでは、板の前に乗り込むことによって加速していく興味深い感覚(錯覚かも)がある点も付け加えておく。

少々(いや、かなり)お高いが値段の価値はあると思う。
どんな種類の板でもそうだが選択の悩みは長さであろう。ここで一つの目安を示す。
現在使用している板がファットやセミファットの場合、それと並行して使用するなら1ランク長く、乗り換えるなら同じ長さを。
初めてのファットスキーがCOOMBAなら身長と同じ程度かそれ以下のサイズを。

AK(174cm)と並行使用するつもりで1ランク長いCOOMBA(181cm)を選択したのは、特性の明確な違いを意識し状況に応じて使い分ける為であり、この目論見は当たった。特性の明確な違い…、長い時間乗ってて疲れないのは(軽く軟らかい)AK、だがイザというときの頼りなさは否めない。対する重く硬いCOOMBAはイザというときの安心感に長けてるが、その時この板は乗り手の力量を試している。荒れた斜面での安定感を引き出すには乗り手がそれなりの働きかけをしてこそであって、板がオートマティックに動く訳ではない。「アンタこんな程度?」とCOOMBAから冷めた目で見られている気がしてならない。
そんな訳でこの板の限界性能をまだ知らないでいるのだが、完璧なコントロール下にある時の小回りはFATであるのを忘れる程の俊敏さを見せる事を付け加える。そのコントロールが数秒で果ててしまうのが口惜しいのだが…。
Pict0712a

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