随分前から、ブラックホールの向こう側は別の宇宙に繋がっていると考えていた。この宇宙が生まれたと言われているビッグバンが、点から始まって今尚膨張を続けているらしく、では最初の点の向こう側には何があるのかと考えたらそれはどこかのブラックホールに違いないと思っていた。向こう側のブラックホールで吸い込んだものがこっち側にブワーっと出てきているというか、何もない所から物質が出てくるのは筋が通らない。後に「特異点」という概念を知ったがそれは自然界では存在しないと感覚的に思っていた。
宇宙に果てはあるのか、という問いがある。膨張を続けているのが本当だとしたら果てはあると答えるのが理。ではその果ての向こう側はどうなっているのか。これに科学者は答えられない。自分は、意識が及ぶ範囲がこの宇宙であると答える。こうなると宗教哲学的になる。
人は数という概念を持った。これは便利で都合が良く、人類発展に寄与した。しかし数は有限でもある。ミクロからマクロまで扱う事は出来るが、ミクロより小さくマクロより大きいものには疎い。宇宙を数で表現するのは無理だと思う。それは最初が点で始まっていると言っちゃってるから。∞/0や0/∞は実存し得ず、特異点は考え方のひとつに過ぎない。
先日TVでナショジオ再放送を見ていたら面白い考え方を知った。この宇宙がブラックホールの中にあるという。光すら曲げてしまうから事象の地平線は表側から観測できず、それは裏側からも観測できないと言える。つまり膨張を続けていると言われているこの宇宙の果てがどうなっているのかは事象の地平線を裏側から見ているので観測不可能とも言える訳で、すり抜け不可能な事象の地平線がこっち側とあっち側の境界、つまり宇宙の果てという事になって腑に落ちる。マルチバース概念も並行する多数の宇宙というよりもブラックホールの中にあるブラックホール(入れ子式)ではないのだろうか。
大きさも時間も空間の中の概念であり、存在するかどうかの確証を誰も持たない。存在すら意味を成すかどうか、哲学者でも分からない。
ミクロより小さくマクロより大きい、その間に宇宙がある。
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